不動産投資 個人と法人の違いは??

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不動産投資 個人と法人の違いは??

 

 

不動産投資における個人と法人の違いや、法人化のメリット・デメリットを中心に解説します。また、法人化に最適なタイミングについてもお伝えしています。

不動産投資を個人事業で行うか法人で行うか……悩んでいる方は多いのではないでしょうか?「法人化した方が得だ」という話を耳にすることも多いと思いますが、それは必ずしも全ての不動産投資家に当てはまる話ではありません。
それぞれの不動産投資に対するスタンスや将来的に目指す投資規模によって、適切な選択肢は変わります。

そこでこの記事では、個人と法人による不動産投資にはどのような違いがあるのかを説明します。さらに法人化のメリット・デメリットや、法人化するのに適したタイミングについて見ていきましょう。

個人事業と法人の違いを理解し、どちらを選ぶべきか考えてみてください。

 

不動産投資における法人化とは?

そもそも不動産投資を行っていく中で「法人化する」とはどういうことなのでしょうか?

投資家本人が個人事業として不動産投資を行うのに対し、株式会社や合同会社を設立し、会社つまり法人が不動産投資を行うことを「法人化」といいます。
投資家は設立した会社の代表者となって資本を出資する形式となり、実際に物件を購入・保有・管理するのは「会社」です。投資家は、会社から役員報酬という形で収入を受け取ることになります。

不動産投資における法人は、あくまで不動産投資のためだけに設立された会社です。極めて個人に近い法人であり「プライベートカンパニー」と呼ばれることもあります。

 

法人化のメリット

  • 計上できる経費の範囲が広い

個人事業では、事業活動にかかった費用だけを経費として計上できますが、法人化すると個人よりも経費として認められる金額が多くなります。先述した人件費や保険料、退職金などがそれに該当するものです。
これらの経費をうまく活用することで、会社としての課税所得額を抑え、法人税や法人住民税の額を減らすことができるでしょう。

 

 

  • 節税効果が高い

・損失の繰越期間
・減価償却費の計上方法
・経費計上できる額が大きい
など、法人は個人事業よりも税制面で優遇されている点が多いといえます。利益の調整もしやすく、個人よりもより節税効果が高いです。

 

 

  • 出口戦略として短期売買を狙うなら法人が得

先述の通り、所有期間5年以下で物件を売却する出口戦略を持っている場合、売却益に課せられる個人事業の税率は39%、法人の実効税率は約30%となっています。

キャピタルゲイン(売却益)を狙った短期間での売買は、豊富な知識や経験を必要とするケースが多く、初心者向きの投資手法ではありません。しかし、1つの出口戦略として5年以内での売却を検討しているなら、物件購入前から法人化することをお勧めします。

 

 

 

法人化のデメリット

  • ランニングコストがかかる

法人の場合、従業員への社会保険の加入は義務となっています。厚生年金・健康保険にかかる費用の半分は会社が負担しなければなりません。

また、法人化すると会計処理が非常に複雑になります。決算書の作成や確定申告のために、税理士と顧問契約を結ぶケースが多いでしょう。月々の顧問契約料に加え、決算時には追加費用がかかるケースも多く、個人よりもさまざまなランニングコストがかかることが考えられます。

 

  • 赤字でも法人住民税の支払いは必須

法人住民税は、法人税割と均等割の2つで構成されています。法人税割は法人税額を基に算出されるもので、均等割は資本金の額や従業員数などによって細かく設定されているものです。
法人の場合、この2つの内、均等割については赤字であっても支払わなければなりません。

東京23区内に所在し、資本金1,000万円以下、従業員数50人以下であれば、年間7万円と定められています。これは、赤字であれば所得税・住民税がかからない個人事業との大きな違いといえるでしょう。

 

  • 長期での売却にかかる税率が高くなる

5年以下の短期売却は、法人の方が得になることを先述しました。
逆に所有期間5年を超えて売却しようとした場合、売却益にかかる税率は、個人であれば20%です。法人の実効税率約30%と比較すると、圧倒的に法人の方が不利となります。
各投資家の投資スタンスや出口戦略に合わせて、慎重に検討する必要があるでしょう。

 

 

 

法人化のタイミング

ここでは、不動産投資事業の途中で個人から法人化するケースを紹介します。

 

初心者であれば特に、始めは少額の不動産投資から……という方も多いでしょう。そこまで利益額が大きくないうちは、個人事業として所得税を支払うほうがお得な場合も多いです。
法人の設立や維持には手間もコストもかかるので、手元の資金が増え、不動産投資に慣れてきてから法人化を検討しても遅くはないでしょう。

途中から法人化するタイミングとしては、個人事業の税率より法人の税率の方が低くなるラインで法人に切り替えるのが最適です。個人事業では課税所得が900万円を超えると所得税率が33%になり、法人税の23.20%を上回ります。
課税所得額が900万円超になったときが、法人化を検討する目安といえるでしょう。

他に給与所得などがある人の場合は、それらの課税所得額との合計で判断する必要があります。すでに給与所得額が高い場合、最初から法人化した方が高い節税効果を得られる可能性があるでしょう。

まとめ

個人と法人にはさまざまな違いがありますが、特に税制の面では法人が優遇されている背景があるといえます。不動産投資で大きく儲けている人や投資拡大を検討している人、不動産で相続対策・贈与対策をしたい人にとっては、法人化をすることで節税が期待できるでしょう。

しかし一方で、法人は設立や維持のための費用がかかります。節税効果は魅力的ですが、デメリットもよく理解した上で法人化を検討するようにしましょう。

また法人化に適したタイミングは人それぞれです。手続きの煩雑さやタイミングの見極めの難しさといった観点からも、行政書士や税理士などの専門家によるサポートを受けながら法人化を進めると安心でしょう。

また弊社では、ゆくゆくは法人化して不動産事業を行っていきたいけどまずは手軽な所から……とお考えの方に対して、出口戦略含めサポートさせていただいております。

オンラインでも面談を行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

 

ライフコンサルティング事業部 染谷雄太

Yuta Someya コラムをご覧いただきありがとうございます。初めまして。私ラクサスマネジメント株式会社の染谷雄太と申します。
私は不動産投資に関して、悩みや不安を抱えた方々のご相談を受けるコンサルティング業務を行っています。
オーナー様が抱える不安点・疑問点に誠実に向き合い、少しでも安心して頂けるように日々奮闘中です。
空き時間を見つけては趣味のサウナ・ゴルフ・フットサルなど汗を流しております(笑)。
常にオーナー様に寄り添うことを意識し、信頼して頂けるパートナーになる為これからも精進致します。
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