投資用マンションを利用して資産形成を行う際、持ち方の戦略の1つとして“売却”というものがあります。 特にロングリターンといわれ長期間所有する事を目的とした場合、“持っている間にご自身のマンションの価値がどのように変化するか“というのはかなり気になるポイントでないでしょうか?
そこで今回、築年数に合わせた基本となる物件価格の推移を、実際に公益財団法人東日本不動産流通機構が2021年2月に発表したデータをもとに、首都圏におけるマンションの価格の推移を築年数ごとに解説していきます。
表 1 中古マンションの成約状況
|
価格(万円) |
面積(㎡) |
㎡単価(価格/面積) |
㎡単価下落率 |
築0~5年 |
6136 |
64.84 |
94.63 |
― |
築6~10年 |
5538 |
66.86 |
82.83 |
▲12.5% |
築11~15年 |
4886 |
70.38 |
69.41 |
▲16.2% |
築16~20年 |
4685 |
72.80 |
64.35 |
▲7.3% |
築21~25年 |
3746 |
69.24 |
54.10 |
▲15.9% |
築26~30年 |
2275 |
61.23 |
37.15 |
▲31.3% |
築31年~ |
2040 |
57.28 |
35.61 |
▲4.1% |
図 2 首都圏における築年数5年毎の㎡単価の推移
表1は左から順に首都圏における2021年の成約物件の築年数5年ごとの販売価格の平均と面積、それを基にした面積当たりの単価(価格/面積)とその下落率を示しており、
図2は表1における築年数5年ごとの面積当たりの単価の推移を表し、グラフの傾きが5年ごとの下落率を示すイメージになります。
図2を見て頂くと、マンションの下落率は築年の経過とともに一律ではなく、築年数ごとの下落率が大きく違うことがわかります。
マンションの下落率が最も大きいのは、一般的に「新築直後」だといわれています。一概にはいえませんが、新築から中古になった途端マンションの価値は10~15%落ちます。その理由としては、「新築」のプレミアが損なわれるとともに、新築分譲価格に上乗せになっていた分譲会社等の利益を、手放すときには乗せられなくなるからというのがあります。続いて築11~15年までの下落率は、築10年頃のマンションとは設備面では大きな差はありませんが、多くのマンションでは約12年周期で大規模修繕が行われ、修繕積立金という入居者の負担が増えやすいため売却価格が13%~20%と大きく低下すると考えられています。そして築16年~築20年で一旦下落率が落ち着き、築20年から下落率は再び上がり始め、築25年~築30年の間で大きく価格が落ちます。その後は新築時の約30%の価格で推移、もしくは緩やかに下降し続ける……というのが、一般的なマンションの価値の落ち方になります。
今回築年数に合わせた基本となる物件価格の推移を解説しました。もちろんこの傾向は同じマンションの価値を計ったものではないので、立地など市況によって下落率は大きく変化します。ただ直近の調査で築年数ごとの価格にこのような特徴があることは、中古マンションを運用していくにあたってあらかじめ頭に入れておいてもいいでしょう。弊社では不動産投資の基礎知識から、応用まで幅広い世代の方に活用しご案内しておりますので、お気軽にご相談ください。
ライフコンサルティング事業部 篠倉共晶
兵庫県加古川市出身。学生時代は中高大と部活動で野球に打ち込み、大学ではライブハウスでのバンド活動も並行して行う。
大学卒業を機に上京を決意し、社会人として周りよりも早く成長したいという思いでラクサスマネジメント株式会社に新卒入社。
実力主義の環境でトライアンドエラーを繰り返しつつ、未経験での営業活動に日々奮闘している。
趣味はギターを弾くことと銭湯に行ってサウナに入ること。