日本における所得税とそれに対する累進課税について

もち方

日本における所得税とそれに対する累進課税について


今回は、日本における所得税に対しての課税方法に関してご紹介していきます。

年収が上がるとより多くの税金が取られていくこの国では、
どのようなルールで課税がされているのかを改めて一度、確認していただければと思います。


所得税とは


まず所得税とは、個人の1年間(1月1日~12月31日)の所得に対してかかる税金のことを指します。
例えば、毎月の給料、フリーランスとして受け取った報酬、不動産運用の家賃収入など、
さまざまな所得に対して所得税が課税されます。

日本における所得税の税額計算には、総合課税分離課税という方法があり、「総合課税」の対象となる所得に対しては、
累進課税」が採用されており、所得が多いほど高い税率で課税される仕組みになっています。



累進課税とは


累進課税は、所得が多くなるにつれて段階的に課税する税率が上昇していく計算方法のことをいいます。

所得税のほか、相続税や贈与税などでも採用されています。
この方法は、所得の少ない人は少ない税金を納める一方、所得の多い人はより多くの税金を納めることで、
支払い能力に応じた公平な税負担を求める仕組みと言われています。

累進課税には、大きく分けて、単純累進課税と超過累進課税の2種類があり、
日本における所得税は「超過累進課税」を採用しています。



総合課税と分離課税の違い


所得税の税額計算には、総合課税分離課税という方法があります。

総合課税とは、複数の所得を総合(合算)して、その合計額に対して税額を計算する方法のことを指し、
一方の分離課税はほかの所得とは合算せず、その所得のみに対して税額を計算する方法になります。

企業に勤めている際の給与や、弊社でご紹介している不動産運用に関しての家賃収入は総合課税に分類されます。

なお、総合課税の対象となる所得に対しては、累進課税が採用されていて、
所得が多いほど高い税率で課税される仕組みになっています。

日本の所得税の累進課税は現在、最高45%の税率となっており、さらに住民税10%の課税もあるため、
高所得者がいくら稼いでも半分は税金で持っていかれると表現する要因はこの累進課税にあります。


総合課税の所得税率(国税庁の速算表)


総合課税の累進税率は現状、国税庁が公表している以下の速算表(2020年度)のようになっており、
最低5%~最高45%の7段階の税率で課税されます。

繰り返しになりますが、日本における所得税にかかる累進税率は、超過累進税率であり、速算表上は、
控除額を設けることで、所得の増加に応じてなだらかに税額が増えるように調整されています。
しかし、収入が高ければそれに応じて税負担が増えることに変わりはありません。


所得税の速算表

課税される所得金額

税率

控除額

1000円から1949000円まで

5%

0円

195万円から3299000円まで

10%

9万7500

330万円から6949000円まで

20%

42万7500

695万円から8999000円まで

23%

63万6000

900万円から17999000円まで

33%

153万6000

1800万円から39999000円まで

40%

279万6000

4000万円以上

45%

479万6000





“超過”累進課税とは


所得税についてよく誤解される点として、累進税率の計算方法が挙げられます。

所得が899万円の人は所得税率23%で済むが、たった2万円増えただけの901万円の人は所得全額に対して
33%の税率で所得税が課されてしまうのでないかという考え方である。

もしこの通りの場合、所得899万円の人は税額がおよそ206万円になりますが、
901万円の人にはおよそ297万円の所得税が課されてしまい、
手元にのこる金額は所得899万円の人のほうが圧倒的に多くなってしまいます。

もちろん、この考え方は間違いです。

上記の通り、日本の所得税の累進課税は、単純累進課税ではなく、“超過”累進課税を採用しています。
超過累進税率は、課税対象の所得が、一定の金額以上となった場合に、
「超過した部分」にのみ高い税率で課税する方式になります。

イメージとして、単純累進課税の場合は、所得金額と税額の関係が階段状になりますが、
一方の超過累進課税では、所得金額と税額の関係が坂道状態となるイメージです。

単純累進課税だと、税率が変更となる基準金額を1円でも超えてしまうと、納税額が急に増えるという不都合が生じるため、
支払い能力に応じた公平な税負担を求める仕組みとしては
、所得金額に応じて税額がよりなだらかに増加していく超過累進課税のほうが優れていると言えるかと思います。


まとめ


いかがでしたでしょうか。
日本における累進課税は、年収が上がるごとに負担する額が大きくなっていくことがわかっていただけましたでしょうか。

一般的に、サラリーマンとして働いている間は課税所得を下げて、
節税するという方法は多くなく給与に対してそのまま税金を払っている方も多いかと思います。

弊社でご紹介している不動産運用は、確定申告することによる課税所得を下げ、
払った税金や払うはずだった税金の額を引き下げることが可能になります。

今回のコラムを読んで少しでもご関心いただけた方は、是非一度お気軽にお問合せください。



ライフコンサルティング事業部
市川陸


Riku Ichikawa ラクサスマネジメント株式会社/ライフコンサルティング事業部
東京都足立区出身。
小学校からサッカーを始め、中学校では関東大会、高校では都大会に出場。大学は日本体育大学に進学し、フットサルに打ち込む。
年齢関係なく自分の力で稼ぐことのできる会社で働きたいと言う思いでラクサスマネジメント株式会社に入社。新卒入社なので経験や知識のない状態からのスタートにはなるが日々新しいことにチャレンジして成長しながら営業活動を行なっている。
趣味はスノーボードやフットサル、漫画鑑賞をすること。
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