今回のコラムでは不動産投資における賃貸管理手数料についてご説明いたします。
昨今、不動産業界では賃貸管理手数料の安さを売りに物件販売を行う会社が増えてきております。
ここでいう賃貸管理とは入居者募集やクレーム処理、設備の故障対応など一般的な管理業務全般を指します。
賃貸管理手数料の相場は通常賃料の5%前後が一般的なのですが、ここの費用を一律3000円です!賃料の3%で行います!といった形で安さを売りにしている会社が増えているということです。
オーナー様からすると安さ=ランニングコストの安さに繋がるので飛びついてしまいがちですが安さだけに着目するのは注意が必要です。
なぜ安さだけに囚われてはいけないのか解説致します。
当たり前のことですが手数料を頂いて管理をするということはそれだけ賃貸管理にはコストがかかるということを理解する必要があります。
その中でも特に大きなコストは入居者募集費用です。
一般的には入居者が新しく決まると客付け手数料として管理会社に賃料の1ヶ月分ほど手数料を支払う必要があります。
仮に賃料9万円の物件で3年に一度入居者の入れ替わりがあると仮定した場合、
9万円÷36ヶ月=2500円となります。
これだけで毎月2500円のコストがかかっていると言えば伝わりやすいかと思います。
賃貸管理手数料一戸だけを切り取ればたかが数千円の話だと思われる方もいらっしゃいますが、管理会社はいくつもの物件を管理しています。
つまり継続的に入ってくる重要な収入源になります。
ここのコストを敢えて下げるということは他の部分(オーナーが気付きづらい部分)で収益を補填している可能性が考えられます。
例えば入居者の退去後の修繕費用の請求などです。
修繕費用は退去時にかかる費用ですが想像以上に高額になるケースは多いです。
入居者の過失によるものは本来入居者に請求しますが、経年劣化による費用はオーナー様の負担となります。
この原復費用はどのような会社でも原価は変わりませんが、ここにどれだけ上乗せするかは会社によって変わります。
賃貸管理会社は自社で客付けをした場合、入居者から仲介手数料を得られます。
ここを他社が客付けした場合は得られません。
そもそもの管理手数料を安くしている場合には客付けした後のコストがマイナスになる可能性も高くなるので、なるべく自社で客付けを行いたいです。
つまり賃貸の募集情報を外部に公開せず、結果として空室が長引く可能性が高まります。
通常都内の物件であれば1ヶ月程で次の入居者が決まることが多いので、もし所有されている物件で空室が長引いている場合は情報が公開されているか確認しましょう。
投資用物件を購入される際に多くのお客様がシミュレーションの数字だけに着目しがちですが、本当に重要なのは運用を始めた後に中長期的に入居者がしっかりとついて、安定した経営を行うことです。
管理手数料の安さだけに飛びついて運用をスタートした後に想定外の費用がかさんでしまっては本末転倒です。上記に記載したことを理解すれば管理手数料の安さと充実した賃貸管理の両立が難しいことは理解できると思います。
数字だけに惑わされず本来の目的を忘れずに手堅い運用をしていきましょう。
ライフコンサルティング事業部 千葉陵太
北海道千歳市出身。小学校2年生から野球に打ち込み大学から上京。
大学在学中にフィットネスクラブでパーソルトレーナーとして働きながら大学軟式野球で日本一に。
実力主義の会社で働きたいという思いでラクサスマネジメント株式会社に初の新卒採用で入社。
入社一年目は12月まで売上が立たずに挫折したがこのまま終われないと一念発起しトップセールスマンに。
現在は課長職でプレーイングマネジャーとして日々動いている。
不動産投資を通じてお客様の人生に寄り添い、より良い未来へ変えていきたい。