世の中には様々な買い方の種類があると思いますが、仮に不動産投資を始めようと思った場合、
現金で購入するか、数千万単位の大きな買い物に多くの方はローン(融資)を活用する場合が多いと思います。
しかし、一気に巨額の資金を用意しない為取りかかりやすい一方で
高額の借り入れをすることになるので不安に感じる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
ですが一般的に不動産投資はローンを活用した方がいいと言われています。
その理由として第三者の家賃収入を活用して返済を行うことでレバレッジ効果を高められることがよく挙げられますが、実はもう一つあって、それはローンを組むことでむしろ不動産投資を安心して始めることができるというものです。そこには民法上のある権利がかかわっているのですが、今回はその不動産投資がローンを組んだ方がいいもう一つの理由について民法上のある権利に絡めてみていきましょう。
ではそもそも一般的に貸金業法で年収の1/3以上の借り入れができないといわれている中、
どうして銀行は不動産において数千万単位の借り入れを行ってくれるのでしょうか?
それは、銀行が物件を担保に融資を行うからなのですが、そこで出てくるのがある権利です。
そのある権利とは…
そう、抵当権のことです。
宅建をお持ちだったり不動産業を営んでらっしゃる方にはもしかしたら耳なじみのある言葉かもしれませんが、そうでない多くの方にとっては初めて聞くような言葉かもしれません。実際に条文をみてみると、
「抵当権者は債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する」(369条1項)
なんて書かれています。正直わかりにくいですね…(笑)
要するに債権者(抵当権者)は、
あるお金の貸し借り(債権)に対して、債務者又は第三者の不動産をオーナーとして利用させたまま担保に取って抵当権を設定すると、
もし借金(債務)が返済されない場合にその不動産を競売にかけて売却し、その代金から他の債権者より優先して弁済を受けられる。
ということなんですが、このとき担保に取った不動産を債務者や第三者がそのまま利用できることが今回の最大のポイントになります。
次に抵当権について分かったところで、抵当権と不動産投資の関係性についてみていきましょう。
実は不動産投資では抵当権の“担保に取った不動産を債務者や第三者がそのまま利用できる”というポイントがうまく活用されています。
例えば今回Xさんが物件Aを購入して不動産投資をはじめようとする場合、物件Aを購入するためにははじめに銀行から融資を受けることになります。
そこでまず銀行は高額な融資をするリスクの代わりに担保として物件Aに抵当権を設定し、その上でXさんに融資します。
結果Xさんは銀行から融資をうけ晴れて物件Aを購入できるのですが、
今回の抵当権では担保に取った不動産を債務者や第三者がそのまま利用できるので、Xさんは購入した物件を収益し運用することができます。
要するに、今回銀行は高額な融資をする代わりに抵当権を設定することで、物件Aを担保にとることができ、
一方でXさんも高額の融資受けられるうえに購入した物件Aを自由に収益・使用することができるので
お互いwin-winな形で不動産投資を始めることができるということです。
それでは最後に、不動産投資がローンを組んだ方がいいもう一つの理由についてみていきましょう。
今回仮に不動産投資をローンを組んで始める場合、まず銀行から融資をうけて物件を売主から購入することになるですが、
その物件の価格を決めるのは物件の売主でも、買主でもありません。
実際に物件を担保にとって融資を行う銀行側が決めます。
そういった意味で、ローンを組むことで銀行が審判のように間に入って融資を行うので、物件を公正に認められた適正な価格で取引することができます。
一方でローンを組まずに物件を購入する場合、単純に2者間の売買取引になるので売主の言い値で取引することも可能になってしまいます。なので、あえてローンを組む方が取引の透明性が圧倒的に高いといえます。
さらに銀行側の立場になって考えてみると、銀行もわざわざ取引の間に入って高額の融資を行うのでリスクを負っています。なので、融資を行う価格というのはしっかりと査定したうえで決めないといけません。
そういった意味で仮に物件が災害ですぐ壊れてしまったり、べらぼうに立地が悪く収益性の見込みが無かったり、急激に資産価値が下がってしまうような物件だった場合には価値をつけることはないので、しっかりと価格がついて取引されている物件というのは、将来の考えられるリスクにおいて銀行のお墨付きが得られるので安心して運用することができます。
以上のことから買主としてはあえてローンを組むことで、非常に安心して不動産投資に取りかかることができると言えるでしょう。
今回は不動産投資があえてローンを組んだ方がいいもう一つの理由について見てみました。
やはりはじめは銀行から借金をすることに抵抗を感じる方も多くいらっしゃると思いますが、不動産投資においては全く別物です。
逆にあえて銀行を介することで取引の安全性と常識の範囲内でのリスクが保証されると言えるので、レバレッジ効果も併せて積極的に活用していきましょう。
弊社では不動産投資の基礎知識から、応用まで幅広い世代の方に活用しご案内しておりますので、質問や不安などございましたら是非お気軽にご相談ください。
ライフコンサルティング事業部 篠倉共晶
兵庫県加古川市出身。学生時代は中高大と部活動で野球に打ち込み、大学ではライブハウスでのバンド活動も並行して行う。
大学卒業を機に上京を決意し、社会人として周りよりも早く成長したいという思いでラクサスマネジメント株式会社に新卒入社。
実力主義の環境でトライアンドエラーを繰り返しつつ、未経験での営業活動に日々奮闘している。
趣味はギターを弾くことと銭湯に行ってサウナに入ること。