不動産投資と不動産投資信託の違いについて
現在の日本経済における不動産を取り巻く環境は、物価上昇に連動し不動産価格も上がってきており、すなわち、資産運用における不動産が一つのキーワードとなり改めて注目度が高まっています。
これらを踏まえ、今回は現物資産の代表格でもある不動産投資と金融資産の不動産投資信託(以下、REIT)の違いについてご説明します。REITについて皆さん一度は耳にした経験があると思いますが、実際どういった仕組みなのかをご説明し、皆さんの不動産に対するご関心を高めていければと存じます。
投資家から集めたお金を不動産に投資し、賃金収入や売却益を投資家 に分配する不動産投資信託のことで証券取引所で売買されます。株式と一緒で流動性が高い運用といえます。 REITの投資先は、オフィスビルや、商業施設、マンション、ホテルなど多岐に渡ります。インフレ、円安、外国人投資家やインバウンドの影響でREITへの注目度も増しているのが現状です。
REITの平均利回りは今年5月末時点4.63%と高い水準にあり、その要因はREITの配当可能利益の90%を分配することにより法人税が免除されることや、不動産賃貸料は、決められた金額が入ってくることが高い利回りに繋がっていると言えます。
また、REITは 1 口 1 万円程度から始められるものありますので分散投資が容易な点もメリットの一つと言えます。
REITは金融資産ですので価格変動が大きいことがデメリットとして挙げられます。また、REITの配当は原則全額課税対象になります。REITはプロの運営会社に任せますので財務状況によっては廃止されることもデメリットとなります。
一方、現物資産である不動産投資のメリットを改めてご説明しますと、実際に物として存在するものを資産として運用するため、非常に安定性が高く価格変動リスクも低く適切な物件・立地・運用さえ間違えなければ不安視される老後の年金対策(不労所得)や中途売却によるキャピタルゲインも狙えます。
また、不動産投資ローンを組む際に団体信用生命保険に加入するため保険の効果がついてくることや、確定申告における損益通算により所得税の還付を受けたり、住民税を減額することが可能です。これらは、特に世帯を持たれているお客様にとって、今後も上昇し続けるであろう税金対策の一つとしてご関心をいただけるのがメリットです。
空室リスクが不動産投資における最も一般的なデメリットでしょう。
不動産投資は入居者がいて初めて収益を得ることが出来ます。空室リスクの対策としましては、何と言っても立地です。今後も単身者の数が増え続ける都市部において交通の利便性、周辺の都市開発計画、商業施設や教育施設、治安や昨今の異常気象も踏まえたハザードマップの確認などにより適切に立地を選定さえすれば、問題なく入居者は付きます。
また、物件は経年劣化するため定期的な修繕や補修を行う必要があるのでどうしてもランニングコストがかさむこともデメリットと言えるでしょう。対策としましては、修繕費用をあらかじめ加味した上でシュミレーションし、その上で問題なく運用可能か判断することが重要です。
不動産投資とREITも共に日本の市場特性に合致した魅力ある資産運用です。
それぞれの運用特性を踏まえご自身に合致した運用を選ぶことが重要です。
ただ、不動産を活用した運用の基本を知るならまず不動産投資を学ぶことが簡単ですし、現状の不動産や土地の価格上昇の特性を最大限享受するならば不動産投資を、金融資産の利点を最大限享受するなら株式や投資信託、もっと手軽に始めたいならNISAとなるため、ポートフォリオを適切にする観点でも不動産投資をお勧めします。
流通事業部
年森勝哉
普段はサッカーや音楽フェスなどアクティブに過ごしてます。
今後、より豊かな生活を送るためのライフプランなど様々なご提案をしていければと思いますのでよろしくお願い致します。