みなさんはもし賃貸に引っ越すとなったらどのような基準で部屋を探しますか?
不動産投資は “入居者”がカギを握る運用といわれます。
というのも第三者の家賃収入を活用してレバレッジを利かせる不動産投資において、入居者がつかないとローンの返済が自己負担になってしまい、せっかくのうまみを活かすことができないためです。また、変動要素が多い不動産投資を安定的に運用していくうえでも入居者をつけ続けることが大切だといえます。
では入居者がつきやすい物件とはどういったものなのでしょうか?
今回は入居者がどのような観点で物件を選ぶのかを基に、入居者がつきやすい物件を紐解いていきましょう。
例えばみなさんが部屋を探しに不動産屋さんにいったときの流れとして、まず“予算”や間取り“などの条件をはじめに決めて、それに合ったマイソク(物件チラシ)を出してもらい、その中で気に入った物件の内見に回って決めるといったものなると思います。この流れはSUUMOやホームズなどの物件サイトで物件を探す場合でも同じだと思います。
なので、入居者という観点ではお部屋探しのスタートといえる条件のうち、どのようなものが重要視されるかが非常に大切になってきます。
もちろん条件は人や目的に合わせてそれぞれあるとは思いますが、一般的に「家賃」「立地」「間取り」の3つが特に重要視される傾向にあります。
実際に以下のランサーズを利用した調査(図1)においても、大きく分けてその3要素が重要視されているといった結果が出ています。
図 1 賃貸に住むときのこだわり条件TOP10
順位 |
条件 |
得票率 |
分類 |
1位 |
家賃 |
96% |
家賃 |
2位 |
バス・トイレ別 |
65.5% |
間取り |
3位 |
間取り |
63% |
間取り |
4位 |
駅からの距離 |
55% |
立地 |
5位 |
周辺環境(コンビニやスーパー) |
54% |
立地 |
6位 |
治安 |
45% |
立地 |
7位 |
エアコン付き |
42% |
その他 |
8位 |
築年数 |
37.5% |
その他 |
9位 |
最寄り駅 |
35.5% |
立地 |
10位 |
2階以上 |
33% |
その他 |
参考:Rooch 賃貸物件のこだわり条件ランキング!優先順位の付け方や実際の口コミを大公開(https://ieagent.jp/blog/chie/chintai-yuusenn-338424)
それでは3要素について入居者と不動産オーナー様それぞれの目線から詳しくみていきましょう。
家賃
入居者目線
入居者にとって毎月必ずかかる費用なので、ほとんどの場合ではじめに条件として決めないといけない項目。毎月の生活収支や負担感を基に決められることが多い。またほとんどの場合で家賃以外にも管理費や共益費といった費用が毎月かかり、一般的にそれらを合わせて手取り収入の3分の1が上限を目安に決められる。
さらに入居の際には敷金や礼金、仲介手数料などの初期費用もかかるので、できるだけ初期費用を抑えるために、敷金・礼金なしの物件や、入居後1ヶ月〜3ヶ月程の家賃を不要とするフリーレント物件なども予算としてまとめて条件にされることが多い。
オーナー様目線
毎月の家賃収入に大きく関わってくる項目。ズバリ適正な周辺の家賃相場にしっかり則った家賃設定であれば問題ありません。というのもオーナーとしてはできるだけ家賃を高く取りたい一方で、あまりにも高くすると一般に入居者がつきにくくなるためそのバランスを保つことが重要になってきます。
そういった観点では家賃は一般に入居がつくギリギリの値段で設定されているので、エリアや物件で間取りごとに家賃相場が決まっている場合がほとんどです。
なので、適正な周辺の家賃相場にしっかり則った家賃設定であれば入居者がつくかつかないかにはあまり影響を与えない要素です。
また、逆に入居者を安定的につけるために自ら家賃相場より低くするのもお勧めしません。というのも家賃を安くしてしまうと毎月の収入が減るだけでなく、訳あり物件など誤解を招いてしまうリスクもあるので、あくまで家賃は適正な周辺家賃相場内で設定するようにしましょう。
立地
入居者目線
入居者の生活サイクルに直接影響を与えるので、一般に入居者が最も重要視しやすい項目です。具体的には職場や学校への通勤経路や最寄り駅へのアクセス、スーパーやコンビニ、商店街などの周辺施設といったものを基に利便性によって決められる。特に通勤や通学は毎日のことになるので、職場や学校へのアクセスが重要視され、雨の日や暑い日に駅まで極力歩きたくない、できるだけ通勤に時間をかけたくないなどといった理由で、駅徒歩10分圏内の物件は人気になりやすい傾向にある。一方でそういった駅近の物件ほど家賃が高い傾向にあるので注意が必要である。
また、駅近でアクセスはいいが線路沿いで音がうるさい、大きな公園はあるが木が生い茂っていて夜は危なそう、高台の閑静な住宅街にあり過ごしやすいが駅に出るまでに長い坂がある、といった地図上にない周辺環境や治安も併せて総合的に検討されることが多い。
オーナー様目線
入居者付けに関して最も影響を及ぼす要素です。たとえ物件がいくらいいものでもそこに賃貸需要がないと入居者は付きません。そういった意味で最も入居者の動向と連動している要素なので、入居者の利便性がカギになってきます。具体的には就職や転勤、入学の需要が高く流入人口が多い東京23区内や大阪中心6区といった首都圏エリアはもちろん、その中でも主要勤務地や通学先、あとは商業エリアへのアクセスのいい最寄り駅周辺、その中でも最寄り駅にアクセスが良くスーパーやコンビニなどの周辺施設が整っている物件ほど入居がつきやすいといえるでしょう。
ただ実際のところ首都圏エリアは賃貸需要が特に高いので、勤務地や商業エリアにアクセスの多い駅で、駅から徒歩10分圏内であればほとんど入居がつくといえます。なので物件を選ぶ際は、最寄り駅はどこなのか、最寄り駅から徒歩何分圏内なのかに特に注目して、入居者の生活スタイルを想像してみるといいでしょう。
また、治安や周辺環境という面ではその地域の歴史や開発、あとは女性の住みやすさに着目して調べてみると安心でしょう。
間取り
入居者目線
入居者の生活スタイルを左右する項目。一般的に部屋数や広さ、収納の多さ、風呂トイレ別、日当たりなどが該当するが、条件を増やせば増やすほど家賃も連動して上がるため、どうしてもというものでない限りは3要素の中では比較的妥協されやすいポイントである。
また間取りは生活動線にも関わるので、家で快適に過ごしやすい導線を考えた間取りが選ばれることが多く、必ずしも広くて部屋数が多い方が、入居がつきやすいとは一概に言えない。
オーナー様目線
物件の選ばれやすさに影響する要素です。ただ入居者によって求める物件の広さやグレードがかわってくる要素なので、“バス・トイレ別”や“エアコン”など共通して条件に上がりやすいものが最低限あれば問題無いでしょう。
特に近年建てられた築浅物件であれば“バス・トイレ別”や“エアコン”、“オートロック”“宅配ボックス”などが標準装備されており、ある程度のグレードが保証されていることがほとんどなので、それ以上は特に気にしないでいいかもしれません。
今回は入居がつきやすい物件を入居者の部屋決めの目線から見てきました。
その中で入居者が部屋決めする際に注目する要素として「家賃」「立地」「間取り」の3つがあり、オーナーとして入居をつけるという意味では
家賃…周辺の家賃相場に則った適正な家賃設定にすること
立地…入居者の利便性に着目すること
間取り…“バス・トイレ別”“エアコン”などの最低限の設備を保証すること
ということが重要だと分かりました。弊社では物件の仕入から一定の基準を設け、長く安定した賃貸ニーズが見込める物件を厳選して販売させて頂いております。
すでにお持ちの方も不動産投資に興味がある、始めたいけど何からすればいいか分からないという方は基本から分かりやすくご案内させていただきますので是非お気軽にお問い合わせください。
ライフコンサルティング事業部 篠倉共晶
兵庫県加古川市出身。学生時代は中高大と部活動で野球に打ち込み、大学ではライブハウスでのバンド活動も並行して行う。
大学卒業を機に上京を決意し、社会人として周りよりも早く成長したいという思いでラクサスマネジメント株式会社に新卒入社。
実力主義の環境でトライアンドエラーを繰り返しつつ、未経験での営業活動に日々奮闘している。
趣味はギターを弾くことと銭湯に行ってサウナに入ること。