繰り上げ返済は期間短縮?返済額軽減?

繰り上げ返済

繰り上げ返済は期間短縮?返済額軽減?

不動産をローンで購入した場合、繰り上げ返済を検討される方は多くいらっしゃるかと思います。
一般的には利息含めた支払総額が抑えられるので期間短縮をオススメしている情報が多く溢れていますが、一概にどちらがいいとは言い切れません。
今回のコラムでは繰り上げ返済について述べていきます。

繰り上げ返済には2種類ある

期間短縮型
期間短縮型の繰り上げ返済はローンの返済期間を短くする方法です。
毎月の返済額は変わりませんが、期間が短くなる分、利息の軽減効果が見込めます。

返済額軽減型
返済額軽減型の繰り上げ返済は毎月の返済額を少なくする方法です。
利息の軽減効果は期間短縮に比べると、そこまで高くはありませんが、不動産投資で考えるとキャッシュフローの向上が見込めます。

繰り上げ返済のメリット

大きなメリットの一つが総支払額の軽減効果です。
繰り上げ返済に使用する金額は全てローンの元本部分に充当されます。残高が減るという事は結果的に利息も減るため、支払額を抑えることが可能です。

次に、金利上昇に対してのリスクヘッジになります。
投資用マンションのローンは基本的に変動金利のみです。基本的には年に2回の金利見直しがあり、変動する可能性があります。
現在は日銀のマイナス金利政策の影響もあり、低金利が続いていますが、いつ上昇するかは分かりません。
仮に金利が上昇すると、毎月の返済額の内、利息部分の割合を高くして調整を行います。
繰り上げ返済を行い元本を減らしていくことで金利上昇へのリスクヘッジとなります。

繰り上げ返済を検討する際の注意点

当たり前の話ではありますが、繰り上げ返済は50万や100万など、ある程度まとまった金額(金融機関によって最低金額が変わるケースあり)を使って行います。
手元資金に余力があれば積極的に行っても問題ありませんが、マンション経営では専有部分の設備交換費用などはオーナーの負担となります。例えば、エアコン、給湯器、ガスコンロなどです。更に空室時には家賃は入らないが、返済は継続しなければならないので、無理してまでの繰り上げ返済は注意が必要です。
また、物件の買い増しをしていくにあたって、ローン審査時に貯蓄額などを重視する金融機関もありますのである程度の資金は手元に残しておくことをお勧めします。

次に、確定申告の経費計上部分が減少します。
マンション経営ではローンの利息部分は経費計上できますが、繰り上げ返済をすると利息部分が減る為、経費が少なくなります。また計上経費が減るということは課税所得が増加する可能性もあるので、所得税、住民税が上がってしまいます。
物件によって変わりますが、節税が期待できる期間は無理して繰り上げ返済しなくてもいいと考えるのをお勧めします。

結局、期間短縮と返済額軽減どっちがいいの?

結局のところ、どちらが絶対にいいということは無く、ご自身が置かれている状況によって選択しましょう。
今後、結婚や出産などのライフイベントが発生する予定で毎月の出費を抑えたい方には返済額軽減型が良いでしょうし、一方で定年後などの為にいち早く完済させておきたいという方には期間短縮が良いでしょう。

現状の不動産投資はローン金利もかなり低く、元金の減りも早いですから、焦って繰り上げ返済にこだわらず、受けられる節税メリットは最大限いかし、その後に余力があれば繰り上げ返済をしていくとう選択が良いでしょう。

まとめ

上述したように、繰り上げ返済には様々なメリットがある一方で注意点もございます。
マンション経営は基本的に中長期の資産形成手段になりますので、繰り上げ返済にこだわりすぎず、ご自身でシミュレーション行ってから決めましょう。

ライフコンサルティング事業部 千葉陵太


Ryota Chiba ラクサスマネジメント株式会社/ライフコンサルティング事業部 課長
北海道千歳市出身。小学校2年生から野球に打ち込み大学から上京。
大学在学中にフィットネスクラブでパーソルトレーナーとして働きながら大学軟式野球で日本一に。
実力主義の会社で働きたいという思いでラクサスマネジメント株式会社に初の新卒採用で入社。
入社一年目は12月まで売上が立たずに挫折したがこのまま終われないと一念発起しトップセールスマンに。
現在は課長職でプレーイングマネジャーとして日々動いている。
不動産投資を通じてお客様の人生に寄り添い、より良い未来へ変えていきたい。

 

タイトルとURLをコピーしました