資金面で、将来への不安を感じている女性も多いのではないでしょうか。2017年に日本労働組合総連合会が、全国の15歳~64歳の働く人1,036名を対象に実施した調査によると、将来に不安を抱えている人は8割近くにも達し、不安を感じていない人はわずか1割未満であることがわかりました。特に30代の女性は結婚、出産、離婚などのライフプランの変化が大きいため、しっかり資産形成・資産運用をして先に備えたいという方が多いです。
今回は、女性にとって老後の生活の不安は男性よりも高いこと、そして不安を解消するためには預貯金だけではなく投資が必要なこと、その中では特に不動産投資が女性に適している理由をご説明したいと思います。
ある研究所が、2017年に実施した30~50代の女性1,830名を対象とした調査によると、
・公的年金をあてにしてはいけないと思う:82.5%
・自分の将来や貯蓄に対して不安に感じる:77.0%
・老後の生活が心配:78.9%
やはり公的年金、老後、預貯金について、ほとんどの女性が不安を抱いています。
なお、日本労働組合総連合会の調査結果は年代別に数値が公表されており、20代では50%未満だった老後に対する不安は、年代とともに徐々に上がっていき、60代では82%に達します。老後資金は一気に蓄えることが困難であるため、できるだけ若いうちから着実に準備をすることが重要です。
老後に対しては男性も同様に不安を感じていますが、女性の場合は以下の4つの理由から、より老後の不安を抱えやすいと考えられます。
1.女性の未婚率の上昇と晩婚化
女性の晩婚化とともに、未婚率が上昇しています。5年ごとに行われる国勢調査の2015年度版によると、女性の50歳時の未婚率は約7人に1人の14.1%で、内閣府の予測では2035年には約5人に1人の19.2%とさらに上昇します。
離婚率は数字上は大きく上昇していないものの、女性の晩婚化による経済力のアップや自立心の向上から増加傾向です。
これにより家庭に入って夫の収入で暮らすのではなく、女性自身の力で生活していかなければならなくなる可能性が高まっています。女性が安心して老後を過ごすには、経済力をより高めていかなければならないでしょう。
2.男女間の賃金格差
生涯にわたって働く決意をしても、日本ではまだ男女間での賃金格差があります。2016年度の厚生労働省の調査では、フルタイム勤務の場合の女性の賃金は、男性の73%です。20年かかって格差は多少縮まったものの、解消にはまだ時間がかかりそうです。加えて、女性はパートや派遣社員など非正規雇用社員の比率が高いため賃金自体の絶対額が少ないので、公的年金受給額も少なくなります。
また子どもの子育てや教育費用が大きな負担となることから、女性が老後の不安を解消することはなかなか困難だと言える状況です。
3.投資に対する女性の保守性
低金利時代に預貯金で老後資金を増やすことは困難です。これから先、緩やかなインフレが進むと預貯金は増えるどころか、実質目減りしていきます。このような時代には預貯金だけに依存せず、投資などの少し積極的な手段で元金を増やすことが必要です。
しかし、総務省が5年ごとに実施している「全国消費実態調査」の2014年の結果によると、30代以降で女性が投資をする割合は10人に1人もいない8.1%。一方男性は、5人に1人以上の22.4%が投資をしています。
さらにアメリカの場合、日本銀行の2016年の調査では、日本の約3倍の人が投資を行っていることが分かりました。
日本の女性も投資を積極的に行うことで、老後資金に対する不安を払拭できる余地があると言えるでしょう。
4.平均寿命の長さ
厚生労働省発表の2016年度の簡易生命表によると、日本人の男性の平均余命は81.0歳、女性は87.1歳で、約6年女性が男性より長生きします。
寿命が長いということは、それだけ老後の生活資金も多く必要です。場合によっては10年、15年とさらに長生きする可能性もあることを考えて、備えておく必要があります。
ここからは不動産投資のメリットを踏まえたうえで、なぜ不動産投資が女性にオススメなのかを解説していきます。
〇不動産投資のメリット
1.安定した収入を確保できれば私的年金代わりになる
家賃収入に適したマンションなどの不動産に投資し、老後までにローンを完済すれば、家賃収入は長期的に安定した収入が期待できるので私的年金として利用できます。生命保険会社などで積み立てる個人年金よりも、高利回りで高額な私的年金として受け取れます。
なお、終身年金タイプの保険の場合、一般的に男性より長生きする女性の掛け金のほうが高くなるので不利ということになります。
2.ミドルリスク・ミドルリターンである
株式やFX投資は資産が0になるリスクが高いのに対して、不動産投資は銀行金利よりはるかに高い利回りが期待できるうえに、その価値が急激に下落するなどのリスクはあまりありません。
3.少額の資金で大きな金額の投資が始められる
マンションなどの物件を担保に銀行から融資を受けられるので、少額な資金で大きな金額の投資ができます。株式やその他の投資では、自己資金が少ないと老後資金にできるほどの大きな利益を得ることは極めて困難です。
4.投資に必要な専門知識が不要
株式やFX投資などは、不動産投資に比べると投資商品そのものに対する知識に加えて、社会・経済・政治・企業業績など幅広い知識が求められます。さらに、常に価格変動に対して注意をする必要があるなど、管理のための時間を要します。その点、不動産投資は適切な不動産会社と物件さえ選べば、専門的な知識は特に必要ありません。
女性は、一般的に以下の理由で不動産投資に向いていると言えます。
1.物事を慎重に判断できる
不動産投資は株式やFXと違って買い換え、つまり投資先の変更や売却が簡単にできません。そのぶん最初の段階で慎重に投資しないと失敗する確率が高くなってしまいます。女性は、性質として最後まで慎重さを崩さない傾向が高いため、不動産投資に向いているでしょう。ただし、投資タイミングを逃さないように、時に決断力を発揮することも必要です。
2.家事・子育てが忙しく、投資に使える時間が少ない
働く女性の場合、男性に比べて家事や子育ても多くの割合を担っている人がまだ多いと思います。そうなると、知識量が必要な投資や時間を要する投資は向きません。
その点、不動産投資は株式やFX投資に比べるとほとんど時間を要することがないうえに、安定した高い利回りが期待できます。
3.不動産の評価は女性目線が有効
女性は男性に比べて、日当たりや通気性、水回りの使いやすさ、内装の美しさなど、細部にまで目を配ることができます。
女性が魅力的に感じる不動産は大抵の場合、男性も魅力を感じるので、そうした女性の感性は不動産投資をするうえで役に立つと言えるでしょう。
4.賃貸物件に投資するなら、女性に人気のマンションがオススメ
不動産の中でも賃貸マンションに投資する際は、女性に人気があるかどうかを選定基準にするのがオススメです。ここでも女性目線が有効
になります。その理由を以下に紹介します。
・空室リスクが小さい
女性に人気のマンションは男性にも人気があるため、賃貸不動産投資で最大のリスクとなる空室リスクを小さくできます。
・女性の住人が多いマンションは入居が決まりやすい
以前の入居者が女性だと聞くと、男性・女性どちらも安心感を覚えて入居が決まりやすい傾向があります。
日本人女性の平均寿命は現在、87.45歳と過去7年連続で最高値を更新しています。今後も寿命は伸び続け、人生100年が当たり前の時代となる日もそう遠くはありません。老後とお金の問題は、必要となるお金や、解決策をしっかり学ぶことで回避できます。長い長い人生の後半に今からしっかりと向き合い、豊かな老後を手に入れましょう。
ライフコンサルティング事業部
石井直子
神奈川横須賀市出身。
社会人になってからは神奈川県の化粧品工場で品質管理、百貨店の美容部員として勤め、現職で東京へ。
化粧品業界とは別の業界に挑戦したいと思い、兼ねてから興味のあった不動産業界を選び、今の投資用不動産の営業へ転職。
全くノウハウや経験のない状態からのスタートだった為、日々新しい仕事に奮闘しつつも顧客を増やし新しいことへの挑戦をしている。
趣味はカフェ巡りで東京の土地や街並みを勉強中。