皆さんこんにちは。ラクサスの奥元です。
冒頭から私事ですが、私のお客様の多くは防衛省にお勤めの方です。
多くの防衛省職員は長らく預金を主体として資産運用を行ってきました。
これは防衛省共済組合の福祉事業の貯金経理、すなわち預金利息がメガバンクに比べ優遇されている点が大きな要因で、
例に漏れなく私も入隊から結婚するまでの5年間はお世話になっていました。
そんな防衛省の方々も最近では「お金に働いてもらう考え」へシフトしています。
一方、10年前と比較すれば随分下がった防衛省の預金利息であっても、未だ預金のみ続ける方がいらっしゃるのも事実です。
実はこの預金を重視する考え方にはいくつかの要因があり、
本日はそれらを紐解き「お金に働いてもらう考え」を検討するきっかけとなるお話をします。
前提となる預金以外の運用を始めない方の考えは金融庁の家計資産アンケート調査によると、
その8割が「流動性資産・固定資産への投資は資産形成に必要ない」と回答しており、理由は以下の3つです。
・そもそも投資に興味がない
・投資はリスクがあり怖い
・投資知識の欠如
また上記設問に対し「投資は必要」と回答した2割の方がそれでも運用しない理由は
・まとまった資金がない
・投資が怖い・知識がない
となり、総括すると「知らない≒やらない」と至極当然の結論に導かれ、
金融経済教育の必要性が高まり令和4年4月から高校での金融教育の義務化スタートに繋がります。
“知ればやる、ただ知らないのでやらない”
つまり原因は「知ろうとしない」ことなのです。
ここからは日本人が資産運用に関し「なぜ知ろうとしないか」について述べていきます。
要因のみを列挙すると以下のとおりとなります。
① 地理的特性
② 歴史的背景
③ 政治的背景
①地理的特性
何と言っても島国の日本。大陸の国々と比較すると非常に保守的な思考が根底にあるとともに、
日本の位置・気象条件・地形・都市構造から長らく自然災害と戦ってきた歴史があり、
食料をはじめ、あらゆるものを蓄える傾向にあります。
DNA的にも新規探索性が欧米人と比較し、日本人は低いとの研究結果も出ており(Evolution and Human BehaVior 1999年より)、
文化的にも生物的にもいかに日本人が資産運用に消極的かが理解できます。
②歴史的背景
「お金は汚いもの」「投資はギャンブル」こんな言葉を聞くこともございますが、これには歴史的経緯があります。きっかけは織田信長が明智光秀に討たれた「本能寺の変」
これを機に謀反をいかに防ぐかが本格的に検討され、その後江戸幕府の開祖、
徳川家康により「財力を持つと必ず権力を倒し取って代わろうとするものが出る」との考えから、
当時士農工商のうち最も財を成していた商人を汚れた金にまみれた身分の一番低いものと定義されました。
その後200年以上続いた江戸幕府により、資産を増やすことを卑しいこととする考えが根付いた訳です。
③政治的背景
1945年8月15日に終戦を迎えた日本を復旧するには当然お金が必要でしたが、当時の政府には十分な予算はありませんでした。一方、戦争を戦い抜いた7000万人の国民は少なからず資産はあるだろう、との見積もりから「預金政策」により
国民の現金を銀行が回収し、銀行が新しい産業に大胆に融資し見事に戦後復旧し高度経済成長へと繋げました。
その際、国民に刷り込まれた「預金は正義」「銀行神話」が細々とただ確実に根付いているのです。
ただし一例をあげると、
世代の移り変わりや暮らしを取り巻く環境の変化から、
ようやくお年玉は数年前から「現金/貯める」から「電子マネー/使う」という考え方にシフトしたそうです。
数年後には「預金は正義」この考え方は途絶えていくでしょう。
以上の話から、環境や時代や政治に右往左往し辿りついた考えが貯蓄であっただけで、
この2024年の現代社会には不適合なことがご理解いただけるのではないでしょうか。
本日は「金融ステレオタイプからの脱却」と題し、投資について「知ろうとしない」日本人特性を紐解きお話ししました。
自分の意志で行っている預金が、実は環境により預金させられている可能性に対し警鐘を鳴らし、
資産運用をご検討いただくきっかけになればと思っております。
資産運用も多種多様ですから、不動産投資についてもお考えいただければ必ず皆さんにとって意義あるお話ができますので、
ご相談お待ちしております。
ライフコンサルティング事業部
奥元 幸治
愛媛県出身。
令和4年まで陸上自衛官として勤め上げた。
超実力主義な評価制度のラクサスマネジメントでチャレンジしてみたいと感じ、
投資用不動産営業に転身。
将来的には地方議員・国会議員として、全身全霊で国・故郷へ恩返しをしたい。